幻の森

灰色にみえる街にも
澄んだ小鳥の声が響いて、風が吹いて、虫が鳴いて、草が生えて、木が立っている


生命の記憶を身体と心が思い出すと、そこが森に思えてくる


どこにもない
けれど確かにある
幻の森



きっと、人はその森を失っては生きられない


見えないけれど、確かにあるもの
それを感じていなければ、この世界で呼吸すらできない


幻の森
生命の記憶