学校で闇を教えて

すべての人の心には
等しく闇が棲む


それは忌まわしいことでも
恐ろしいことでもない


地球に朝が来て
太陽の光が照らす昼と
光が去って
月と星が照らす夜があるのと
まったく同じこと


昼しかない一生が
どれほど疲れて消耗するかを
考えたら
静かな闇のうちにたゆたう夜が
どれほど豊かで心地良いものか
生きることの根源が教えてくれる


そしてそのことを
人間は存在することそのもので知っている



だから
心の闇とのかかわり方を
学校で教えて欲しい


それは悪いものだからと定義づけ
存在してはいけないものなのだと
闇を忌み、恐れ、憎むから
人の心の中で闇は腐敗する


腐った闇は人を操る


人はいつしか
自らが憎んだ内側の闇に
生を乗っ取られてしまう


闇に捕まればウツになり
闇と戦えば偽善者になり
闇に呑み込まれれば犯罪者になる


闇との付き合い方、かかわり方を
小学校、いや、幼稚園からだっていい
その人の成長に合わせて
教え、伝えていった方がいい


それは、大人になってからでも
必要な関係のレッスン



闇との関わりを学ぶ



関わり方を学べば
闇は豊かな生の時間を
提供してくれる



闇の向こうに光る
標になる星の座標を
無言のうちに示してくれる