物語のはじまり

私たちが地上で紡いできた物語のすべてを
終わらせ 手放す時が
来ているのかもしれない

永遠を紡ごうと始めた
永い夢から
醒める時が来ている


世代から世代へ
過去生から未来生へ
受け継ぎ 受け継がれ
受け継ごうとしてきた
すべての物語の終わり


私たちはそれを愛し過ぎて
すっかり物語の一部になってしまった
だから 物語が終わることが寂しくて仕方がない

けれど
私たちは物語ではない

それを語る人なのだ


新しい物語が語り手を待っている