受難の水

福島第一原発は水棺にするべく作業進行中だという

ビンラーディン氏はすべてを深く沈めるべく

水葬に

何かが水の中に葬られてゆく

水の棺

永遠に沈黙させられ抑圧された

原子の記憶

寒々しい光景しか目に浮かばない

波動の転写力が強い水に

これほどの暴力の記憶を沈めて

私たちの無意識は

あまりの傷つきやすさのために封印された無意識は

更なる重荷を更新する

この憂鬱さと沈黙に

本当に耐えられると

私たちは信じているのだろうか

これほどの暴力を抑圧している自分自身を

自分自身が信頼できるだろうか

隠蔽しなければならないものの真実とは

それが

まったく無価値であるということ

無価値であることの重荷を負って

これからの地球で生きていくことに

誰もが

疲れきっていないだろうか

底の知れない閉塞感の根拠は

無価値感に溺れそうになっている

自分自身の救われようのなさなのではないか

人間の暴力は

どこまで無慈悲になれるのだろう

それを知るために

人間になったわけではあるまいに