魂が見ているもの

魂は何も恐れていない気がする


なのに
毎日の生活が
これほどの恐れにあふれているのは


人が魂とどれほど深く離れた場所で
生きているのかを
物語っているのかもしれない


魂は何を見ているのだろう


あるがままの今を


思考に遮られて
人間には見えなくなった
この世界で本当に起こっていることを


まばたきもせず


あるがままに
起こるがままに
見ている


暴走する思考を止めることができる人は
誰もいない


けれど一瞬
嵐の雲間に光が射すように
思考の雲が流れを止めるとき


空の向こうに
未だ名づけられていない
思考が知らない未知が
顔をのぞかせる


魂にしか気づけない場所
魂にしか見えないもの


厚い観念の雲の彼方


魂は真っ直ぐに
それを見つめている