SPEC

人間の脳は通常、一生を通じて
その全能力の5〜10%しか使われないらしい


残りの潜在能力に
どんな可能性が秘められているのか
未知と言えばこれ以上未知の領域はない


人類が自らの能力を
ほとんど探求していこうとしないのには
理由がある


だから
眠ったままの95%は
きっと それはそのままでいい


それは眠るために存在している
能力なのかも知れない


人間のなかでその能力を記した
コードは
眠りながら継承され
宇宙の果てへ運ばれるのか
永遠の闇の眠りへと封印されていくのか


宇宙が持っている可能性のひとつではありながら
目覚めることを求められないコードで
あるのかもしれない


それは本当には
人間の能力と呼ばれるものでは
ないのかもしれない


もしかすると
人間の可能性や能力という解釈自体が
実は間違っていて


本当は
人間 人類自体が
その可能性の一時的な通過点として
宇宙に表現された
あるコードの一部分なのかもしれない



人間はすべてを知り支配しているつもりでいながら
自分自身を存続させているコードの情報を
読み取ることがほとんどできない


それでも
わずか5%だけ機能した脳で
宇宙を探求し
宇宙に存在する物質の1%についてを
知ることができた


わずか5%だけ機能した脳で
地球を探索し
地球に存在する生命の4%については
名前をつけ
存在を知ることができた


それだけだって偉業だ


宇宙は
人類にとって
あまりに膨大な情報の海


自分を知ることとは
自分のコードの情報を
読み解いていくこと


自分のコードを読み解いていけば
宇宙が存在させようとしている
可能性の場が理解できる


そのコードが
最終的には
消滅することが約束されている
宇宙の儚い暗号だとしても


宇宙を復号する―量子情報理論が解読する、宇宙という驚くべき暗号