ターミナル駅に響く
長距離列車の最終案内


長い長い
途中下車の旅が終わり
目的地に向かう列車に乗る時が近づく


あれも これも
この駅でやり残したことが
まだいっぱいある


立ち去りがたいという想いが
未だ留まる理由を探す


けれど
心も体も
知っている


やり残したことなど何もない


最初から


やるべきこともなかった


ただ
降りてみたかっただけ


その駅で


出会う人々と
出会いたかっただけ


ただ出会うために出会う


たったそれだけのこと


意味も目的も
価値もない


ただ出会って歩いてみたいと思った


途中下車の旅は
そんなもの


それ以上
生に何を望むだろう?