見えない世界
会社が存在すると信じている人なら、幽霊や天使や精霊が存在することを信じることは当然だと思う
国家が存在すると信じている人もまた然り
「ここに持ってきて」と言って、持ってこられないものは基本的に存在しない
会社は持ってこられない
持ってこられるのは、そこで働く人、会社という組織を起こした社長、その会社の約款やら規則やら登記簿やらで、会社にまつわるエトセトラはあっても「会社」はない
それは、人が見えない世界で紡いでみている夢の世界
人はたいへん真面目に夢を生きている
国も持ってはこられない
国土はもともと、ただの島の寄せ集め
大きな陸が海に浮かんでいるもの
そこに人が住んで、名前をつけて、境界を引いて国盗りゲームをしているだけに過ぎない
私たちが信じて生きている世界は、そのほとんどが幻
その幻が生まれる場所は、きっと、どこまでも続く真っ直ぐな直線がある場所
無限と呼ばれる可能性がある場所